遊びの読書

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本と漫画を読みながら、考えごとをまとめるブログ

【おすすめ本】「ラブホの上野さんの恋愛相談」が面白い!恋愛に悩める全ての方へ

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みなさんは普段誰に恋愛相談をしていますか。

友達でしょうか。それとも先輩?

あるいは相談はせずに、ネットで検索をかける方もおられるでしょう。

 

どれも間違ってはいませんが、それらの人達はみんな優しいので、得られる解答は恐らく「質問者が欲している答え」です。

 

自分が欲しい答えをもらって、安心したいだけならそれらで十分ですが、

本当に実のある恋愛相談がしたいなら、恋愛に一番詳しい人に聞くべきです。

 

それは誰か?

 

そんなの

 

ラブホ店員に決まってるでしょう!!!

 

 

そんなわけで今回は『ラブホの上野さんの恋愛相談』を紹介します。

タイトルだけ見てブラウザバックしようとした方はちょっと待て下さい!

そんな方のために書いています。

 

この本、タイトルだけでアレルギー反応を起こしてしまうには、あまりにもったい本なのです。

 

【魅力①】問題の本質を見抜く

まず、恋愛に関する悩みは「恋愛の場面だけの問題だ」と思ってはいないでしょうか。

実は私もそう思っていました。

 

例えば「出会いがない」という相談をする人には

マッチングアプリに登録したらいいよ」

「街コンに行ってみたら?」

 などのアドバイスがされることでしょう。

 これらのアドバイスは問題が「恋愛の場面だけ」だと想定されたものです。

 

しかしこの場合、本当に問題なのは

 

「出会いがない」と言うだけで何もしない本人の無精な性格の方です。

 

この人は恐らく何に対しても無精です。

 

「独り暮らし始めなきゃなあ」と思っても物件を見に行くところまでしないでしょうし、

「料理できるようになりたいなあ」と思いながら、レシピを眺めるに終わるでしょう。

 

こんな人間に

「いい不動産屋があるよ」とか

「こんなレシピがあるよ」

と言っても

絶対に行きませんし作りません。

 

つまり先程のアドバイスも全く意味がありません。

  

恋愛において相談者が悩んでいることは、多くはその人が根本で持っている問題のしっぽが恋愛の分野で出ているだけなのです。

 

上野さんの解答は、上辺だけを見て呈示されるそれらしい答えとは違います。

 

しっぽをひっぱり原因の本体を捕まえた上で、「それに対してどうすべきなのか」を説くアドバイスばかりです

 

本書が、第一印象よりもずっと深い内容であることが伝わりましたでしょうか。

 

ちなみに「出会いがない」と嘆いているさきほどのモデルは誰かって

 

 

私です。

 

【魅力②】上野さんの博学さ

 この記事を書くにあたって本書を読み返していたんですが、「どこかで聞いたんだよな」と思っていた記憶の多くがこの本に書いてあることだったと気づき、改めて驚きました。

 

例えば

  • キツネの家畜化計画
  • 映画『お熱いのがお好き』のストーリー
  • 穴を掘って埋める(無意味さが人の心を殺す)拷問の存在
  • 眷属殺人(親殺しは特別罪が重くなる)に関する法律が、「法の下の平等」の憲法に反するとして20年ほど前に削除された

 

「大学ででも聞いたんだっけ?」と勝手に思ってしまっていたほど、一見恋愛とは何の関係もありません。

 

しかし、これらの話から始まる解答が、

  • 忙しい彼氏に会えなくて寂しい
  • 付き合っている人がワガママで困っている
  • 彼女にダイエットをして欲しい
  • 留学する彼氏と別れた方がいいか

 

だったりするので、読んでいてめちゃめちゃ面白いです。

 

一見無関係に見える前置きから質問者への解答へ繋げていく過程も鮮やか。

 

それらはつまり問題の本質を分かりやすく説明するための例え話になっており、文章の巧みさにも舌を巻きます。

 

恋愛の悩み相談を脇に置いたとしても、本書を読むだけでかなりの雑学が身につきますよ。 

 

【魅力③】オチがいい

本質を見抜く鋭さと、博学さを持って質問に答えていく上野さん。

しかし、なんだかんだで最終的には

 

「悩みを解決して最良のパートナーを見つけ、ぜひラブホテルをご利用下さい。」

ラブホへいざなうところが最高にロックです。

 

問題解決型の本はそれがどれだけ良書でも、結局の効果は受け取り手側に依存するものです。

 

親のアドバイスなんて聞けないけれど、有名な偉人の格言は素直に実行しようと思える、なんてことは誰にでもあるでしょう。

 

「何を言われるか」 と同じくらい、あるいはそれ以上に「誰に言われるか」が重要と言えます。

 

恋愛の場合は、恋愛上級者が語り手になる事が多いと思うのですが、ここが恋愛相談の難しいところ。

  

だって、「恋愛上級者が教える恋愛テクニック」なんてなんだか鼻につきませんか。私ならケッと笑って本を閉じてしまいます(ひがみ)。

  

これだけ深い解答の数々が、

「あくまで上野さんのラブホスタッフ営業の一環である」というおかしみ。

そのバランスがとてもいいのです。

 

面白がってるうちに、いつの間にか正座してうんうん聞いてしまう。

そんな素敵な本が、『ラブホの上野さんの恋愛相談』です。

 

まとめ

 友達への相談やネットでの検索が、病院でいう「熱があってしんどいね。おでこ冷やそうね。」であるとするなら、本書を読むことは「この熱の原因はどこどこの臓器が炎症を起こしているから。では治療にかかりましょう」ぐらいの違いがあります。

 

もちろん両方必要です。

失恋で傷ついたときは、前者のような言葉が何よりの癒しになり、励ましになります。

 

しかし本当に病気を治したいなら、病院へ行って病原を突き止める必要があるでしょう。

あるいはそうでなくても、面白いコラムを読みたい!から入るのでももちろんOKな本です。

 

購入時の店員さんの目線が若干ハードルですが、ネットで頼めば万事解決ですね!

いい時代。

 

まあ、あとはそうですね。

街コンでも行くかな…………………