遊びの読書

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本と漫画を読みながら、考えごとをまとめるブログ

【おすすめ漫画】めちゃくちゃ面白い!BEASTARS(ビースターズ)の魅力を解説

先日先輩と話していまして、面白い漫画ある?という話になりました。

私が1番に挙げたのはBEASTARSビースターズ)』

 

どんな話?との質問に

「動物の学園モノです。」

ああ~読んでそうだね、という反応に即座に頭を抱える私。

 

説明間違えた!!

違う!たぶん先輩方が想像してる話と全然違う内容!!

 

今回は面白い漫画を探し求めて彷徨っている方に絶対おすすめしたい、2018年のマンガ大賞を受賞し、アニメ化も決定した『BEASTARS』の魅力を誤解ないよう紹介します!

 

ネズミと熊が一緒にカステラを食べる絵本の世界、ではない!

導入の説明だと、BEASTARSを知らない人は絵本的な世界観を想像してしまったかと思います。

例えて挙げるなら『ぐりとぐら』。

 

あまりに有名な絵本なのでご存知の方も多いですよね。ラストに大きな卵で作ったカステラを、森の動物たちみんなで食べるシーンが出てきます。

ネズミも虎もウサギも熊も仲よく暮らす世界。

絵本の中でのみ許される平和な日常。

 

BEASTARS』はここにあらしのよるに』の概念を持ち込んだ物語です。

食べる、食べられるの葛藤

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あらしのよるに』は『ぐりとぐら』のような絵本の世界観に革命を起こした作品です。

お互いの姿が見えない嵐の夜に出会った2匹の獣は友達になります。

しかし明るい日のもとで再開した2匹は、お互いに食って食われる狼と羊だったと知るのです。

 

ラストがどうなって終わったかは覚えていないのですが、狼のガブは羊を食べなくなり、羊のメイは狼と会っていることでお互い群れからあぶれたような気がします。

 

あと鮮明に覚えているのが、2匹でどこかを目指している途中、メイが朝目を覚ますとガブから血の匂いがして、しかしメイはそれを気づかないふりをするというシーン。

 

狼が肉を食べないと生きていけないことを理解していて、それでも彼は友達だから自分と同じ草食を食べている事実にメイは目をつぶる。

ガブの方も食べることに葛藤を覚え、出来るだけ食べないようにしていて体が弱っていく。

 

それをしてもつなぎ留めたい2匹の友情

いや改めてすごいなこの絵本!!

ゾクゾクすらします。

 

あらゆる動物が共存する絵本的な世界に、この食って食われる概念を持ち込んだ『BEASTARS』。この葛藤にぐっとくる人は間違いなくハマります。

BEASTARS』の世界観とあらすじ

BEASTARS』の世界では草食と肉食が同じ学校に通っています。

 

肉食が草食を食べることは法律で禁止されており、たんぱく質は大豆などで補っています。野菜も食べます。

 

ありとあらゆる動物が教室でノートの貸し借りをし、部活動をして、同じ学食で食事を取る。

あたかも『ぐりとぐら』のような絵本の世界。

 

しかし実際は肉食動物は自分の中の「食べたい衝動」を押さえつけていて、草食動物はそれに気づいている。

 

それでもみんなが仲よくしたいと思っているからこそ、一緒に暮らすことを選んでいる、本当はそんなギリギリのところで成り立っている世界なんです。

 

そんなある日、主人公のハイイロオオカミが所属する演劇部で、食殺事件が起こるところから物語は始まります。

主人公のレゴシは気の弱い狼。鋭い爪と牙を持ちながら、すれ違う小動物に「ごめんね」と言って道をあけるようなやつです。

 

そんなレゴシが好きになったのが、ドワーフウサギのハル。

可愛い見た目に反して強かな女の子で、体の大きいレゴシにも物怖じしません。

 

退廃的な側面も持っているんですが、肉食相手でも大胆な行動そのせいなのか…園芸部所属。

魅力的な女の子です。

 

演劇部のスターで、カリスマ性を持ちながらどこか危うさがあるアカシカのルイ。

巻数を重ねていくごとに彼の身の振り方に目が離せない。

 

他にもレゴシに片思いをするハイイロオオカミ、ジュノや

 

自由奔放な後輩ピナ君(美形)

物語が進むにつれて魅力的なキャラクターがどんどん出てきます。

 

イヌ科は良くつるむとか、めんどりは卵を産むバイトしてるとか細かい設定も面白いです。

うさぎと狼の危ない恋

狼のレゴシとうさぎのハル。2匹の恋愛もこの漫画の面白いところ!

 

なにしろレゴシは1度、本能のままにハルのことを食べそうになるんですね。

 

これは「恋」なのか?それとも「食べたい」欲求なのか?

 

ところで「食べる」の言葉で別のことを指す(察して)のは、日本以外の国でも共通することだそうです。

「食べちゃいたいくらい可愛い」を色々な角度から研究・考察した本なんですが、もしかしたら作者の方は、意図せずこれに通底するテーマに挑戦されているのかもしれません。
 
しかし単純に男性女性の風刺なわけではないんです。女性の狼×男性のラクダの場合、「あなたのこと食べたくなっちゃったの」と言うのは女性の方。
 
まあこの場合は「食べる」の意味は言葉のままバリバリ食べる意味なんですが(ラクダがその後どうなったのかは『BEAST COMPLEX』にて)。
  
だめだ好きすぎて考え込んでしまう。
この手の話はまたいつか集約して書こう。
 
そろそろまとめます。

読み始める時は翌日が休みの日にすることをおすすめします。

 

たしか私は金曜日の夜読み始めたんですが、止められなくて夜通し読み続け、気付いたら空が明るくなってました。

平日じゃなくて本当によかった。

 

作者は板垣巴留さん。ディズニーのズートピアがヒットした直後に連載がはじまった『BEASTARS』ですが、構想はズートピアより前!

 

一見似てるように見えますが、ズートピアは絵本の世界よりの話です。とはいえズートピア好きな人は絶対好きだと思います。(私はズートピアも大好き。ニックと結婚したい)

 

就活をしながら動物の世界を描いた話をずっと出版社に持ち込みをしていたそう。なんでも子供の頃から動物の絵ばかり描いていたらしいです。

 

そのまま就職はされずにデビューされたんですね~

巴留さん天才。好き!!新刊追いかけます!!

 

途中に紹介した『BRAST COMPLEX』はその持ち込み時代の作品が入っている短編集で、これも面白いですよ。

 

 

さあこれで先輩方の誤解も晴れたことだし、

というか「読んでそう」って言われた後、隣の友達に「いや逆にもっとグロイ系を読んでるでしょ実は」って言われてオイってなったんですが、確かにただの全動物仲良し世界でないあたり、

 

あれ…当たらずとも遠からず…?

 

いやいや違うBEASTARSはグロイ系とかじゃなくて本当に動物たちの青春物で!まあちょっと齧ったりもしないこともなf:id:yebypawka141421356:20190602155232p:plain

以上!!